楽天の売上アップに必要な商品開発の考え方
今回は、売上アップに必要な商品開発に関する考え方についてです。
この『楽天売上アップシリーズ』は、全7日間の『楽天売上アップ合宿記事』を土台にして掲載されています。
まだお読みになっていない方は、まずはそちらの記事をお読みになってから読み進めて頂いた方がスムーズかもしれません。
では、話しを売上アップに必要な商品開発に戻します。
楽天ショップの売上アップを達成する方法は二通りしかありません。
- 既存商品の売上を上げる
- 新商品の売上を上げる
どちらの方法も重要ですが、ドラッカーの『企業の目的は、顧客の創造である』という言葉を借りれば、「創造」という言葉通りに新商品開発による新市場の開拓の方がより重要にも見えてきます。
企業の目的は、顧客の創造である [ピーター・
ドラッカー]
ドラッカーは、企業の目的は、顧客の創造であるとしつつ、『企業は2つだけの基本的な機能を持つ。それは、マーケティングとイノベーションである。』と補足しています。
マーケティングとは、顧客かの欲求からスタートするもの、
イノベーションとは、新しい満足を生み出すものです。
一方で、テテマーケティングでは、過去記事にて新商品開発の方法を2通り紹介をしています。
- 市場から探す(サジェストキーワード)
- 既存商品から探す(Bさんを極める)
の2通りですよね。
色々出てきましたのでここで一度整理してみます。
企業の目的は「顧客の創造」 | ドラッカー | tetemarketing |
---|---|---|
①マーケティング | 顧客の欲求からスタート | サジェストキーワード |
②イノベーション | 新しい満足を生み出すもの | Bさんを極める |
1つ目は、顧客の欲求からスタートする「マーケティング」であり、サジェストキーワードという方法があります。
2つ目は、新しい満足を生み出すもの「イノベーション」であり、Bさんを極めるという方法があります。
アンゾフの成長マトリクス
さらに理解を深める為に、この表を『アンゾフの成長マトリクス』風に落とし込んでいきます。
「風」とした理由は、アンゾフの成長マトリクスは縦軸が顧客ではなく製品だからです。
ここでは新商品開発について説明をしていますので、テテマーケティングでは「製品」を「顧客」に変更して考えています。
サジェストキーワードは、既に市場に顕在化しているキーワードに対応した商品を、自店にとって新しい顧客へ提供していきます。
Bさんを極めるは、既にいる顧客の観察を高めて、よりマッチした新しいキーワードを商品に与え、新市場で勝負をします。(製品が変化する場合もあれば製品は変わらない場合もあります)
どちらの方が簡単なんですか?
取り掛かりやすさはサジェストキーワードですが、売上への貢献度はBさんを極めるです
サジェストキーワードのデメリット(限界)
そうなんです。
取り掛かりやすさはサジェストキーワードですが、経験上、売上への貢献度は、Bさんを極めるの方が高い事が多いです。
それは、サジェストキーワードがレッドオーシャンに自ら身を投じる側面がある事に対して、Bさんを極めるは、ブルーオーシャンを探し当て「戦わずして勝つ」の領域にいける可能性を含んでいる為です。
つまり、キーワードは市場という言葉を借りれば、キーワードは顧客の抱える課題であり、サジェストキーワードは、既に顕在化した顧客の課題です。
一方、Bさんを極めるは、まだ顕在化していない、顧客の潜在的な課題を導き出す可能性を秘めています。
しかしながら、Bさんを極めるは、高い分析能力(顧客の観察力)が要求される為、誰にでもできる方法論ではありません。
分析の難易度 | 商品開発の難易度 | 顧客の課題の質 | 戦場(差別化) | |
サジェストキーワード | 低い | 高い | 顧客の顕在化された課題 | レッドオーシャン |
Bさんを極める | 高い | 低い | 顧客の潜在的な課題 | ブルーオーシャン |
また、Bさんを極めるが優れている所は、ブルーオーシャン戦略である事に留まりません。
実は、Bさんを極めるは、ドミナント戦略であり持続可能な成長を生むからです。
ドミナント?
キーワードのドミナント戦略
ドミナント戦略とは、一定のエリアに集中して出店する作戦で、そのエリアの市場占有率(シェア)を向上させて、独占状況を目指す経営手法のことです。
『エリアの集中、経営資源の集中』を意味するこのドミナント戦略は、特定のエリアでは全国チェーンを上回る人気を誇る地元スーパーマーケットなどを想像していただけるとわかりやすいと思います。
所狭しと人で溢れている人気の地域スーパーさんってありますよね
そうなんです。
ドミナント戦略では、既存の店舗を軸に、隣接するエリアのシェアを奪いに行く事で、じわりじわりと盤上を自色に塗り替えていきます。
Bさんを極めるも同様に、Bさんの観察により一つのキーワードで勝利を納めたら、さらにBさんを極めて隣接する新しいキーワードを開拓していきます。
この様子から、テテマーケティングではBさんを極める事を別名、キーワードのドミナント戦略と呼んでいます。
Bさんを中心に隣接するキーワードへエリアを拡大していくのです。
顧客の創造
企業の目的である顧客の創造を果たすには、顧客の課題を見つける事。
そして、顧客の課題を見つけ課題の質を高めるには、顧客の観察以外にはありません。
質の高い顧客の課題を抽出して、初めてそれを解決する新商品の形が生まれます。
差別化をすることは、結果論であり目的ではありません。顧客の課題の質を高めた先に差別化があります。
「競合と差別化できる商品を作ろう」という発想は、顧客の課題を無視し、作り手のロジックで開発が進む危険をはらんでいます。
顧客の創造という企業の目的が半永久的に続く事を考えると、サジェストキーワードとBさんを極める、どちらも新商品開発の方法論として継続的に行っていく必要があります。
進め方としては、サジェストキーワードは月間のルーティーンに組み込んで、Bさんを極めるは、強化月間として集中して行う事をテテマーケティングでは推奨しています。
新商品の開発を習慣化して、継続的な顧客の創造を実現する強い企業を目指しましょう!
今検討している商品アイディアは顧客にとって本当に痛みのある課題に注目していますか?
誰が聞いても良い商品を選ぶべきではない
最後に、楽天の売上アップに必要な商品開発の考え方の肝です。
誰に聞いても良いと答える商品を選ぶべきではありません。
誰に聞いても良いと答える商品は、既に類似商品が世の中に出ている、或いは他の企業も検討していて、市場が混み合っていて、体力の削りあいが起こっている商品です。
人は良く見る商品を良い商品と思う傾向があります
だからこそ、商品のアイディアを人に話しをした時に、相手がリアクションやコメントに困って戸惑うような、しかも世の中では未解決のままである深刻な課題にフォーカスした商品アイディアがベストです。
つまり、ターゲットに近い方10人に聞いて見たところ、8人は他のプランを押し、2名程度が推したプランが最も良いプランだと言うことです。
テテマーケティングでは、そうしたネガティブなフィードバックが周囲から集まる状態を「マーケットが定義されていない状態」と捉えて、今のタイミングで商品化する価値が最もある商品だと捉えます。
大勢に対してまあまぁ評価される新商品開発ではなく、一部の人に熱狂的に好かれる新商品開発を目指しましょう。
とはいえ、「一部の人だけに」「熱狂的に」、こんな高いハードルを2つも超える都合のよい商品を開発できることは極稀です。
ブレインストーミングは技術であると定義しているように、なるべく数多くの新商品の開発を現場チームが経験する事がまずは重要であり、急がば回れです。
サジェストキーワードは月間のルーティーンに組み込んで、Bさんを極めるは、強化月間として集中して行うというのはそのためです。
コメント