いかなる個人よりも全員の方が正しい
いかなる個人よりも全員の方が正しい
デザイン思考の生みの親、IDEOの共同経営者トム・ケリー氏の言葉です。
[トム・ケリー]
私が講習を行う際に最初に皆さんにお伝えをする大切な言葉です。
この言葉の大切さを体感し、テテマーケティングのスローガン
何が正しいかだけで判断し、誰が正しいかを考えない
が生まれたといっても過言ではありません。
テテマーケティングのスローガンはこの言葉から来ています
テテマーケティングの経営理念の5要素はこちらの記事にてご紹介しています。
デザイン思考とは
IDEOケリー兄弟のデザイン思考の最大の特徴は、「人間中心設計」であるということです。
嚙み砕いて言えば、超顧客視点という事になります。
私事で恐縮ですが、大学でマーケティングを学び、メーカー、卸、小売りと流通の川上から川下までずっとマーケティング畑を歩かせていただいた私にとって、マーケティングとは何か?という問いは、人生における重要な課題でした。
当初、マーケティングとは、売れる仕組みづくりと定義付けていましたが、答えを早急に当てはめるための、取ってつけたような定義で自分でもいまいちしっくりときていませんでした。
だって、マーケターなのにマーケティングとは?の問いに答えられないなんて恥ずかしいじゃないですか?
だから取り合えず「売れる仕組みづくり」としていました。
マーケティングとは
しかしながら、このデザイン思考の概念に触れたことで、私の中の「マーケティングとは?」の問いに、しっかりとした答えが出ました。
その答えとは、
マーケティングとは、【観察】である
選考していたデータマイニングも「観察」、売れる仕組みづくりも「観察」、ヒット商品も「観察」、プロモーションも「観察」。
マーケティング活動のすべてがこの「観察」からスタートしていて、その時々の有効性に応じてその形を変えています。
マーケティングとは、観察のことだったんですね!
客の声を正しく無視する
テテマーケティングでは、「マーケティングとは、観察すること」と定義していますが、よく似た言葉に、「顧客の声を聞く」があると思います。
これはだいぶ前から「顧客の声は無視すべき」と直感的に感じていたところです。
新商品のアイディアが出てきたらまず先にパートさんたちに聞いて回りました。(社員ではなくパートさんです)
- プランA:パートさんの多くに人気
- プランB:パートさんの多くに不人気
- プランC:パートさん一人だけ人気
私が商品化をすすめるのはプランCだけです。
成熟した現代社会ではニーズの探求が盛んで、分かりやすい欲求は対応するモノ・サービスがすでに存在しています。
テテマーケティングでは、プランCのようにネガティブなフィードバックが周囲から集まる状態を「マーケットが定義されていない状態」と捉えて、今のタイミングで商品化を手掛けるチャンスだと考えます。
プランAの商品は、自社で作るよりも、もっと安くてブランド力がある商品として、既にパートさんがよく目にするレベルで世の中に出ていますよね。
デザイン思考でもこのように紹介されています。
30年前、外出時の電話について人々に要望を聞いたら「公衆電話の設置ポイントをもっと増やして欲しい」と言っただろう
200年前、より良い移動手段について人々に要望を聞いたら「もっと速い馬が欲しい」と言っただろう
客は自分の知っている現実と比較してしかモノを言わない
ただ一つこの運用には注意が必要です。
意見を聞いてくるくせに、人気の商品は商品化しない、、何度も繰り返すとパートさん達に「何の意見も反映されないんだな」と悪い印象を与えかねませんからこの手のヒアリングには注意が必要です。
テテマーケティングのような外部の人間を使うことも一つの手段としておすすめします
ブレインストーミングはトレーニングを必要とする「技術」
顧客の「観察」を経て潜在ニーズを見つけた後は、その潜在ニーズを市場に導入するモノやサービスに落とし込む「発案」のフェーズに入っていきます。
いよいよ商品開発ですね!
ここで、登場するのがこのブログのタイトルである、いかなる個人よりも全員の方が正しいになります。
発案の段階ではより多くのひらめきが重要になります。
『ひらめきを得る機会を増やすこと』
それはより多くの、そしてより違った角度のアイディアを集める事が最も重要であることを示しています。
- アイディアの「質」より「量」にこだわり1時間で100個のアイディアを出す
- 他者のアイディアをもとにして飛躍する
- どのアイディアを採用するかは多数決
何が正しいかだけで判断し、誰が正しいかで判断しないために、上記3箇条は基本です。
一方で、どのチームでも最初から1時間で100個アイディアが出るようなブレインストーミングスキルが備わっているわけではありません。
良いブレインストーミングを実現したいなら最低でも月2回以上のブレインストーミングが必要だとされています。
これは、ブレインストーミングがトレーニングを必要とする難易度の高い「技術」であるからです。
ぜひ社内(チーム)一丸となって継続的にブレインストーミングの技術力を高め、困難を分割し顧客の課題を解決し続けてください。
ブレインストーミングも練習なんですね!
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